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 ■市長室

施政方針・所信表明

平成29年11月湖南市議会臨時会あいさつ

29.11.13

 おはようございます。去る10月22日に執行されました湖南市議会議員一般選挙後の初議会を本日招集いたしました。まずは、議員のみなさんにはこのたびの市議会議員選挙でのご当選まことにおめでとうございます。また、これから4年間、車の両輪として湖南市の発展と市民福祉の向上のためにご協力を賜りますようにお願い申し上げます。

 さて、昨晩は地上波に初登場した「シン・ゴジラ」を見ておりました。昨年封切りされた映画ですが、今年のゴジラの日にもちなみまして、実は11月3日にもブルーレイを見たところでした。

 この映画の醍醐味のひとつは、まさに、人間はすべての情報に基づいてあらゆる可能性を検討した結果判断を下せるような崇高な存在ではなく、ハーバート・サイモンのいうところの限定された合理性の範囲内でしか意思決定をすることができず、そうした限定された合理性による判断しかできない人間の集合体が官僚組織であるということ、そして、わが国においては、奇しくも映画の中でアメリカ大統領特使に「それは大統領が決める。あなたの国は誰が決めるの?」と発言させているように、カレル・ヴァン・ウォルフレンのいう中央省庁割拠制に基づき、全体の合意がなければものごとが決定できない、すなわち責任を全体で負うことにより個別の責任を問わないというわが国意思決定システムの特徴が良く出ていた映画であると思います。

 ところで、私は学識経験者や議会事務局職員、議員等で構成される「議会事務局研究会」というグループに所属しており、とりわけ議会と執行部の関係性について研究を重ねておりますが、歴史的考察を加えてみますと、江戸時代のわが国の自治は町内会や郷村自治においても全会一致を原則としてきました。それが崩れましたのが、明治9年10月の区町村金穀公借共有物取扱土木起功規則で、現在であれば集落にあたる町村で起債や公共工事を行う場合に、執行部にあたる官選区長や官選戸長の印鑑だけでは認められず、総代会において総代の6割以上の印鑑が必要とされました。いわゆる多数決原理の導入であり、執行部ではなく合議体が地域経営の意思決定に対してイニシアチブを採るという原則が示されたところです。

 以来、郡区町村編成法や府県会規則、区町村会法などを経て、市制町村制と府県制において、議事機関を執行機関より前に規定するという条文構成が採られましたが、この構成は現在の地方自治法に至るまで揺るがないわが国地方自治の根幹であると考えております。そのことは、戦後、GHQが提示してきた新憲法案には執行機関である長が先に規定されており、議事機関である議会がその後塵を拝していたことと比すれば、わが国地方自治において有権者を代議する議員で構成される合議体である議会における議員間討議と合意形成こそが自治体経営を左右するという思想は、戦後アメリカから与えられたものではなく、わが国の先人が苦心のなかで、維新や農民蜂起、不平士族反乱、自由民権運動、大正デモクラシーなどを通じて成熟させてきた、まさに日本的民主政治の集大成であるといえると考えております。

 そうした議会のみなさまと議論を交わしながら、市民の生命、財産、生活などを守り育てるために効率的効果的でなおかつ建設的な意思決定に寄与することができることは、望外の喜びであると存じます。

 市議会議員選挙投開票日当日には、投票事務および開票事務だけでなく、台風21号対応の危機管理も執り行いましたが、動員可能職員の不足するなかで全体として人的見積りをやりくりするとともに、個々の職員の責任ある行動とも相まって、田代ヶ池や南陽台での路盤崩落をはじめとする被害の拡大防止と事後対応を進めてまいりました。

 執行部といたしましては、そうした執行について万全を期してまいる所存でございます。どうか、議会においては、有権者の信託を背景にしながら健全で納得性の高い合意形成に努めていただきたいとご期待を申し上げるものでございます。

 今臨時会には、衆議院の解散に伴う衆議院議員総選挙関係経費および先ほども触れました台風21号被災に対する復旧関係経費についての補正予算の専決処分についての承認案件を上程してまいりますので、慎重なるご審議をお願いいたします。また、来月には12月定例会を招集する予定としておりますが、年間を通じて政策議論を交わしてまいりたいと考えておりますので、議会におかれましても議会における政策サイクルをご議論いただくなど、さらなる議会改革の進展を賜りますようご期待申し上げます。

 ぜひとも、市民のみなさんのためになる自治を、ともに車の両輪として実現してまいりたいと念願しておりますので、ご理解とご尽力をお願いして、招集にあたってのごあいさつといたします。どうかよろしくお願い申し上げます。

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