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 ■市長室

施政方針・所信表明

平成27年度施政方針

平成27年2月26日

 

(はじめに)

本日ここに、平成27年度の湖南市の予算および諸議案をご審議いただくにあたり、議長のお許しを得まして、私の市政に対する運営方針の一端を申し述べ、議員各位ならびに市民のみなさんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

(平和を希求する世界)

 昨年は第1次世界大戦の勃発から100年を迎えた年回りでありました。

戦車や飛行機、潜水艦や大口径長距離砲という新しい機械兵器や毒ガスのような非人道兵器が出現した第1次世界大戦は、複数国同士の対決による長期持久戦争となり、あらゆる人的物的有形無形一切の要素を動員する国家総動員戦争のはしりでもありました。多くの尊い命を失ったその悲劇を繰り返さないため、史上初の普遍的国際組織として創設された国際連盟も、恒久平和には十分に力を発揮できませんでした。

そして、文字通りの世界的な惨禍となった第2次世界大戦の終結から今年は70年目を迎えます。膨大な非戦闘員の犠牲を生じ、核兵器という究極の非人道兵器が使用された第2次世界大戦に対しては人類に大きな反省が求められました。

しかし、連合国を中心に組織された国際連合は、世界規模の多国間戦争こそ押さえたものの、米ソ冷戦の最前線では朝鮮戦争やベトナム戦争など戦火の収まる気配はありませんでした。「核による恐怖の均衡」により曲がりなりにも平和が謳歌されてきた先進国においても、ソ連の崩壊によりナショナリズムの高揚と大量破壊兵器の拡散、そしてテロリズムの脅威が世界中で現実のものとなりました。パクスアメリカーナの衰退とともに、ウクライナ紛争やISと称する過激派集団などの活動による犠牲者は増加し、世界は再び先行きの見えにくい時代に移ってきました。

政府においては8月に発表を予定している戦後70年談話について「戦後50年の村山談話、戦後60年の小泉談話をはじめ、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく」としており、わが国をとりまく国際環境の変化も視野に入れながら、戦後70年である平成27年は、世界平和がいっそう希求される年となります。今年、天皇皇后両陛下におかれては、先の大戦の激戦地であったパラオ共和国をご訪問されます。

(伸びの鈍化する世界経済)

 一方、結びつきを強める世界経済は、全体として緩やかな回復が続くもののその伸びは鈍化してきており、原油価格やユーロ・円の下落にもかかわらず、アメリカの雇用改善による経済成長の上方修正という好景気とは反対に、治安の悪化と財政破綻寸前のギリシャを抱えるユーロ圏においては成長見通しが足踏みをし、わが国においても個人消費や設備投資などは昨年4月の消費税率3%引上げの影響などから十分に脱却しきれておりません。一方、新興国や途上国においては、中国経済の減速やロシア経済の失速、原油価格の下落などいくつかの見逃しがたいリスクを含んでおります。

多国間のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の枠組み構築が進むなか、メガFTA時代の象徴ともいえる日米など12カ国によるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉は、昨年11月10日の北京会合における首脳声明を受け、妥結に向けて進捗してきています。

(第3次安倍内閣の「戦後以来の改革」)

 昨年末の解散総選挙を経て12月24日に成立した第3次安倍内閣は、衆参両院における安定した多数を背景に「戦後以来の大改革」を掲げ、「農家の視点に立った農政改革」、「オープンな世界を見据えた改革」、「患者本位の医療改革」、「エネルギー市場改革」、「改革推進のための行政改革」といった諸改革に取り組む姿勢を見せています。また、経済再生と社会保障の充実、チャンスに満ち溢れた日本、地方創生、外交・安全保障の立て直しなどを進め、東日本大震災からの復興と東京オリンピック・パラリンピックを成し遂げ、日本国民の自信を取り戻すとしました。

総選挙に際して安倍首相は、社会保障財源としての消費税率2%再引き上げについて、平成27年10月の予定を延期するとの判断を示しましたが、消費増税法の景気条項を削除した法改正が行われたことから平成29年4月には必ず再増税が行われる見通しとなりました。政府日銀はデフレ脱却を目標に掲げて経済財政金融政策を展開していますが、原油価格の大幅な低下が消費者物価動向に大きな影響を与えつつあり、昨年末の全国消費者物価指数は消費増税による物価押上分を除けば0.5%の上昇にとどまっています。

しかし、2月16日に内閣府が発表した第3四半期の実質GDP(国内総生産)は、年率換算で2.2%と昨年4月の消費増税後初めてプラスに転じましたし、株価は2月24日現在、東京株式市場で1万8600円台をつけるなど、14年10ヶ月ぶりの高値を更新しています。一方で、雇用情勢は昨年末の完全失業率が3.4%と17年4ヶ月ぶりの低水準、有効求人倍率が1.15倍と22年9ヶ月ぶりの高水準を示したものの、正社員の有効求人倍率はまだ0.71倍であり、人口減少社会における若者の雇用形態のあり方が課題とされています。自殺者数は18年ぶりに金融危機前の水準となりましたが、依然として年間2万5374人が自ら命を絶っています。

(社会保障と税の一体改革の進展)

 急速な高齢化と人口減少の対応として誰もが安心できる持続可能な社会保障制度の確立を目指した改革が進められていますが、消費税率10%への引き上げの延期にもかかわらず、子ども・子育て支援新制度をはじめ、医療介護総合確保推進法に基づき都道府県が医療機能の分化・連携を適切に推進するための地域医療構想を策定することや地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支援事業の充実、低所得者に対する介護保険の一号保険料軽減強化などが予定通り実施されることとなっております。

また、低所得高齢者・障がい者に対する福祉的給付等の支給などの年金関連法の一部施行は平成29年4月から、さらに今国会に提出される医療保険制度改革関連法案により、国民健康保険の財政運営の責任主体が平成30年度から都道府県に移管されるとともに、医療計画、介護保険事業(支援)計画、医療費適正化計画の同時策定・実施が行われる予定とされております。

(日常の安心安全を脅かされる日本)

 今年は1月17日で阪神淡路大震災から20年を迎えました。これまでも、平成23年の東日本大震災をはじめとして、多くの自然災害が日本列島を襲ってきましたが、昨年はスーパー台風と称される巨大台風の上陸が度重なり、7月には長野県南木曽町で、平成26年8月豪雨と称される一連の豪雨により福知山市や丹波市、そして広島市ではバックビルディング現象を伴う豪雨による土砂災害が引き起こされました。さらには9月27日には御嶽山が噴火、奇跡的に死者の出なかった11月22日の長野県北部地震を例外に、数多くの尊い人命が失われました。引き続き災害に対する備えが求められています。

 また、3月20日にはオウム真理教により引き起こされた地下鉄サリン事件から20年を迎えることになります。現在、被告の裁判員裁判が進められていますが、公安審査委員会は1月23日にオウム真理教に対する団体規制法に基づく観察処分を3年間更新する決定を行っています。

(第4次エネルギー基本計画と原子力発電所再稼働)

昨年4月に改定された国の『エネルギー基本計画』には、「東京電力福島第一原子力発電所事故で被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、寄り添い、福島の復興・再生を全力で成し遂げる。震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見直し、原発依存度を可能な限り低減する。ここが、エネルギー政策を再構築するための出発点であることは言を俟たない。政府及び原子力事業者は、いわゆる『安全神話』に陥り、十分な過酷事故への対応ができず、このような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省を一時たりとも放念してはならない」と書き込まれました。国民的な省エネルギーの取り組みにより電力不足の危機を乗り越えたわが国では、再生可能エネルギー利用の拡大や原油価格が大幅に下落する一方で、原子力発電所の再稼働に関し、九州電力川内原発1、2号機に続いて2月12日には原子力規制委員会が関西電力高浜原子力発電所3、4号機についての新規制基準に基づく審査書を決定しました。

(新しい知事のもとでの県市関係)

滋賀県政においては、昨年7月に執行された知事選挙において8年ぶりに知事の交代がありました。府県は基礎自治体のように直接住民生活に関与する場面が少ないために現場のニーズを感じ取るには距離感があったにもかかわらず、滋賀県においては、これまで基礎自治体の現場に配慮なく無造作に手を突っ込み、地方分権の基本を崩してきたことで、全国で最も県と市町の関係が悪いと言われてきました。

新しい知事は市町の意見を丁寧に聴きながら政治判断を行いたいという姿勢を明らかにしており、好意的に受け入れられております。しかし、真の成熟した自治体間関係を確立するためには、分権改革を受けてプレゼンスが低下してきた県政という現状認識を持ちながら、この8年間に定着した上からの一方的な行政スタイルを県庁組織が払拭することができるかどうかが鍵であり、そのための知事のリーダーシップの発揮について注目を続ける必要があります。

(第2期湖南市総合計画と湖南市ひと・まち・しごと創生総合戦略)

湖南市においては、昨年10月に市制10周年を市民のみなさんとともにお祝いすることができました。この間の議員の各位ならびに市民のみなさんのご理解とご協力に心から感謝申し上げます。そして、この10年間を支えてきた「湖南市総合計画」については平成27年度で計画期間の終了を迎えることになりますことから、昨年6月に議会でお認めをいただきました「湖南市総合計画策定条例」に基づき、現在、湖南市総合計画審議会において次期総合計画の策定議論を進めていただいております。

その一方で、国は昨年11月21日にまち・ひと・しごと創生法を可決成立させ、一人ひとりが夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成と、地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保および地域における魅力ある多様な就業の機会の創出を一体的に推進するというまち・ひと・しごと創生の長期ビジョンおよび総合戦略を12月27日に閣議決定しておりまして、平成26年度補正予算により地方創生先行交付事業として一定の財源も確保されました。湖南市といたしましても、まち・ひと・しごと創生法に基づき、「湖南市版人口ビジョン(仮称)」および「湖南市まち・ひと・しごと創生総合戦略(仮称)」を策定する必要がありますことから、湖南市まち・ひと・しごと創生本部を設置して検討を進めてまいります。

(少子高齢時代を控えた行政システムの改革)

 そして、これは平成26年度の施政方針でも申し上げたことではありますが、湖南市の人口構成は、今後大きく変化し、これまで力強くまちの発展を支えてきた年代が後期高齢に差し掛かってまいります。生産年齢人口すなわち担税人口が減少するなかで、コストのできるだけかからないコンパクトシティを志向しながら、お互いのさりげない支えあいができるまちづくりを進めていかなければなりません。そのために、地域の自主的なまちづくり活動を活性化するとともに、行政システムのさらなるスリム化を図りながら利便性の向上を求め、次の世代への負担のつけ回しを避ける努力が求められます。

(地域の担い手と市民に寄り添う豊かな湖南市へ)

 こうした現状と課題を踏まえたうえで、平成27年度当初予算の編成に当たっては、「地域の担い手と市民に寄り添う豊かな湖南市へ 〜行政主体から市民目線へのまちづくりへと また一歩〜」を基本テーマに、過去10年の諸施策の成果を踏まえながらも、地域の魅力の発見や新たな課題の抽出を行い、地域の元気を生み出し、市民の安全と暮らしを支え、ともにまちづくりを高めるための政策を展開してまいりました。結果的には、大型投資や大型の福祉対策などにより過去最大であった平成26年度に近い規模の予算規模となりましたが、総合計画の最終年度にそのまちづくりの6つの目標に沿って、平成27年度施政の方針を説明いたします。

(人権尊重と自立・自助のまちづくり)

 まずは、「みんなで共に進めるしくみをつくろう」ということです。行政主体から市民目線へのまちづくりへと大きく転換する湖南市の11年目において、まずは市内各まちづくりセンターの指定管理者をまちづくり協議会に委ねてまいります。

市民主体のまちづくりの推進という観点から、平成26年3月定例会において議決をいただきました湖南市地域まちづくり協議会条例に基づくまちづくり協議会をまちづくりセンターの指定管理者とするべく諸準備を進めておりまして、まちづくり協議会に対する地域活性化推進事業などの財政的な支援や職員による人的支援に加え、今回新たに活動拠点の提供支援により、地域まちづくり活動が面的ネットワークの構築に発展するよう大きく期待をしているところであります。

その拠点のひとつとして、4月には地域において10数年来の懸案であった菩提寺まちづくりセンターの移転新築が実現するとともに、老朽化している現行の菩提寺まちづくりセンターを菩提寺コミュニティセンターとして耐震および改修整備をしてまいります。また、こうしたシステムやハードの整備とあわせて、新たに増員する地域おこし協力隊などとも連携を図りながら、地域の活力創造を進めてまいります。

さらには、人権尊重のまちづくりとして、老朽化している夏見会館の改築に着手いたしますとともに、外国籍児童生徒に対する国際文化教育や外国籍市民の生活相談など多文化共生の社会づくりを進めてまいります。

(自然を活かし、自然と共生するまちづくり)

次に、「うるおいのあるまちをつくろう」ということです。「湖南市環境基本計画」に基づき、環境自治の根ざすまちづくりを進めてまいります。

環境の保全に関しましては、天然記念物ウツクシマツ自生地の保全活動の展開や森林病害虫の防除などにより生物多様性を維持していくとともに、野洲川などの水質保全のために水質分析を行ってまいります。

また、循環型社会をかたちづくるために、引き続き分別収集を基本とするごみ処理を行うほか、福島第一原子力発電所事故後の自然エネルギーの地域循環の取り組みを進め、「湖南市地域自然エネルギー地域活性化戦略プラン」などにより、市民共同発電所の増設や電力の見える化、スマートコミュニティへの参画、芋発電を含めたバイオマスの活用、小水力発電など、さまざまな先進的施策の展開に挑戦してまいります。

上下水道の整備については、公共下水道施設の老朽化対策や最終段階に差し掛かった面的整備を進め、公共下水道事業の平成28年度からの地方公営企業法の適用につなげてまいりますとともに、上水道施設についても、配水池の再編や老朽管の更新を進めながら安全安定な水道水の供給に努めてまいります。

身近な公園・緑地の整備については、水戸学区まちづくり協議会と連携しながら田代が池公園の最終的な整備を進めるとともに、公園施設の長寿命化計画を策定してまいります。

(産業が集まり、人が集うまちづくり)

三点目は「活気あるまちをつくろう」ということです。昨年度から進めておりますまちづくりの基軸となる「湖南市総合計画」の改定とあわせ、「国土形成計画(全国計画)」や「国土利用計画(全国計画)」、「滋賀県国土利用計画」の改定を視野に入れながら「湖南市国土利用計画」の改定作業に着手し、新たな土地利用の方向性を示してまいります。

市街地や住環境の整備については、「湖南市都市計画マスタープラン」に基づいた魅力ある土地利用を誘導するとともに、石部地域等で住居表示台帳の電子化整備を行ってまいります。また、土地の表示を正確なものとするための地籍調査事業を再開する一方で、「湖南市市営住宅整備計画」に基づき老朽化する市営住宅の整備を進めてまいります。さらには、笹ヶ谷地先において工事中の(仮称)湖南市浄苑を6月から稼働する予定としております。

次に、道路網の整備については、国において施行されておりますいわゆる国道1号バイパス、地域高規格道路甲賀湖南道路の水口栗東道路T工区の石部大橋以西については、名神高速道路(仮称)栗東東インターチェンジを越えて栗東市小野地先の県道上砥山上鈎線までが平成27年度末に供用予定とされております。市道に関しましては、現在策定中の新しい「湖南市道路整備計画」に基づき、継続事業として(仮称)吉永山手線や市道甲西駅美松線の道路新設に取り組みますとともに、市道三雲小学校線や市道東浦線の歩道整備を進めてまいります。また、市道菩提寺中央線での冠水対策や市内の橋梁長寿命化のための修繕も行ってまいります。河川に関しましては、引き続き滋賀県に対して適切な管理を求めますとともに、石橋川の護岸工事などを進めてまいります。

次に、公共交通の充実については、コミュニティバスめぐるくんの運行を適切に行うほか、草津線複線化に向けた取り組みを滋賀県や沿線各市とともに進めてまいりますが、3月18日には甲西駅のバリアフリー化工事が完成する予定としております。新年度においては、昨年、西日本旅客鉄道株式会社と締結した協定に従い、三雲駅の駅舎改築や駅南北広場をつなぐ自由通路の工事に着手をしてまいりますとともに、石部駅周辺整備事業として測量設計を進めてまいります。

次に、農林業の振興については、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉と日米並行協議の進展や国による農業協同組合・農業委員会・農業生産法人3点セットの大きな改革を受けて地域農業のあり方が変容することが予測されることから、昨年末に開業したイオンタウン湖南敷地内に市内産農産物の発信販売なども担う農業振興等拠点の整備を進めるとともに、甲西南部地区ほ場整備事業の事業完了に向けての取り組みや農地維持に対する直接支払交付金の支出などを行ってまいります。

工業の振興については、湖南市工業会や公益社団法人湖南工業団地協会などとの連携を深め、立地適正化計画の策定や内陸型国際総合物流ターミナル構想の実現性を探りながら、雇用創出拡大に向けて道路網の整備に呼応した新しい産業立地や土地利用の有効性について検討を行い、ニーズ調査やプロモーション、マッチング等により企業誘致に努めてまいります。雇用の促進については、引き続きチャンスワークこなんと連動した障がい者就労支援サポーターの設置を行います。

商業の振興については、昨年末に岩根地先の東部商業集積エリアにイオンタウン湖南が開業いたしましたが、湖南市商工会や湖南市元気合同会社などと連携しながら、あげあげサミットやこにゃん元気市場などの事業支援をいたしますとともに、地域おこし協力隊事業などを通じて商工会の進める空き店舗対策にも協力してまいります。

観光の振興については、湖南市観光協会と連携しながら、観光情報提供を含めた道の駅の設置に向けて取り組むとともに、国宝湖南三山のPRについて民間事業者などと密接に連携しながら展開し、観光入れ込み客の増加につなげてまいります。

(生涯を通じた安心と健康のまちづくり)

四点目は「ほっとする暮らしをつくろう」ということです。

健康づくりや医療の推進に関しましては、「健康こなん21計画・食育推進計画」に基づき、各種成人検診やがん検診、さらには予防接種などによる予防医療を推進してまいります。また、国民健康保険税については、医療費の増嵩に伴い税率の引き上げを予定いたしております。

子育て支援については、「湖南市子ども・子育て支援事業計画」初年度として、水戸学区に私立保育園と学童保育所が新規に開設するとともに、公立保育園の認定こども園化に向けた準備に着手し、必要とされる保育サービスの量と質の確保に努めてまいります。また、就学前乳幼児の入通院医療費および義務教育就学後児童生徒の入院費用については引き続き所得制限なく助成をいたしますとともに、ファミリー・サポート・センターやつどいの広場、子育て支援センターなどで発達段階に応じた子育て支援を充実し、ひとり親等子育て応援手当の支給や母子家庭高等技能訓練の促進などひとり親等家庭などの支援も行ってまいります。

障がい者の自立支援については、「第2次湖南市障がい者の支援に関する基本計画(第2次湖南市障がい者計画・第4期障がい福祉計画)」に基づき、アール・ブリュットの普及や成年後見センターの運営による権利擁護などに加え、基幹相談支援センターの設置など障がい者の自立に向けた幅広い支援を展開してまいります。

高齢者の自立支援については、「第6期湖南市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、介護保険料を改訂いたしますが、これまで整備が進んできている施設サービスに加え、在宅ケアを充実させるとともに、いきいき100歳体操や男性の料理教室、インターバルウォーキングなどによる介護予防の強化や認知症地域支援推進員の設置による認知症対策総合支援に取り組みます。また、地域包括ケアシステムの構築をめざし、多職種参加による医療と介護の連携を図る在宅医療・介護連携支援センターの設置に向けた準備などを進めてまいります。

地域福祉の推進については、「第2次湖南市地域福祉計画(みらくるプラン)」に基づき、湖南市社会福祉協議会やまちづくり協議会などを主体としながら、心のインフラづくり事業として進めていきます。また、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援事業および住居確保給付金支給事業に取り組みます。

危機管理体制の整備については、新たに組織体制を見直すとともに自衛官OBを採用して専門的知見を活かしてまいります。また、防災備品として災害対策用空撮ヘリコプター・ドローンの導入や災害時の対策本部用簡易ベッドの購入、第2次避難所として役割を果たす小中学校に防災備蓄倉庫の設置を行い、消防用備品として消防救急無線のデジタル化への対応を進めていきます。さらに、土砂災害の恐れのある地域の指定と土砂災害ハザードマップの作成をするとともに、引き続き防災士の育成を行ってまいります。

(誇りとなる市民文化を創造するまちづくり)

五点目は「いきいきとした暮らしをつくろう」ということです。

教育内容の詳細については教育長による「教育方針」に譲りますが、ハード整備といたしましては、石部小学校の耐震改築に加え、岩根小学校と石部中学校の体育館の非構造部材の耐震化工事を行います。さらに改築が予定されている甲西中学校を除く各中学校に空調設備を設置してまいります。

ソフト面で大きな変更は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正が施行されますことから、新たに総合教育会議を設置いたしますとともに、教育基本法に規定される基本的な方針を参酌しながら「湖南市教育大綱(仮称)」の策定に取り組んでまいります。

学校支援地域本部のさらなる中学校現場での拡大、コミュニティスクールの小学校現場での拡大、社会福祉士を含めた多職種連携による児童生徒生活指導の充実、次の時代を担う教員の資質向上のため湖南市独自の研修事業、インクルーシブ教育の推進など本市教育の特色となる施策についてはこれまでと変わらず取り組んでいく予定としております。

(効率的・効果的な行財政システムづくり)

最後に、「明日を拓くしくみをつくろう」ということです。

先に申しあげましたとおり、平成27年4月からはまちづくりセンターの指定管理者をまちづくり協議会としてまいります。新しい活動拠点を中心に、地域が行政と新しい連携協力関係を築き、地域自治が充実することを期待しております。

また、施設等インフラの計画的な管理を推し進めるため、今議会に公共施設等マネジメント推進基本条例案を提案しておりますが、企業会計の手法を取り入れた財務書類の作成と分析ツールを導入し、施設の利用状況やコストなどを盛り込んだ公共施設白書を策定し、今後急速に老朽化が進み待ったなしとなる公共施設の維持管理見直しについての議論を進めてまいりたいと考えております。

(市民主体のさりげない支えあい)

 高校生の頃から読み続けている作家のひとりに柳田邦夫さんがいます。民俗学者の柳田国男ではなくノンフィクション作家のほうですが、柳田さんに『終わらない原発事故と「日本病」』という本があります。柳田さんはもともとNHKの記者で、情緒的な見方に流されることなく、リアリズムを徹底して物事やシステムの本質に迫る冷静な筆致が魅力ですが、近著ではとりわけ人間の命をめぐる著書を多く書いています。柳田さんは「この十年ほどの期間に災害や事故の取材をしていて次第に痛感するようになったのは、人間の命を守るべき社会システムが、行政においても企業においても、病んでいるということだった」とし、その状況を「日本病」という用語で捉えています。

原発事故に関しては「原子力専門家の責任感」や「『死者は一人もいない』という欺瞞」と厳しく現実を見つめ、「復興予算略奪の卑劣」や「住民の安全対策抜きで再稼働か」、「官僚へ、避難生活の実体験を」と鋭く国に対する不作為責任を問うています。“いちえふ”の原発事故対応だけでなく、「続発する一流企業の事故」、「『隠ぺい文化』は事故の温床」などと、組織防衛のために安全や命が優先されない多くの民間企業の組織風土についても指摘をし、被害者の観点から「命を大事にする企業と国家を構築」することが重要であるとしています。

 「戦後以来の改革」が進行する今の時代においては、過度の「安全神話」に寄りかかるわけには行かなくなってきます。柳田さんのいうように「人間の命を守るべき社会システムが、行政においても企業においても、病んでいる」のであれば、そのシステム自体が病んでいた場合、改革の結果に対して、自らの身は自らで守る必要があるかも知れないからです。急速に進む少子高齢、人口減少、成熟社会において、持続的なまちづくりが進められるようにするためには、自治体も企業も単に「お金儲け」だけに走るのではなく、あくまでもそれが「人間の命を守るべき社会システム」につながらなければなりません。その姿は、自分だけ儲かれば良い、自分だけ勝ち抜ければよいという社会ではなく、市民ひとりひとりが勝ち組になれるように、それぞれがさりげなく支えあうことのできる社会でもあります。

 今国会において、選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる公職選挙法改正案が成立する見込みとなりました。未来を支える若い世代の主体的な政治参加が始まります。私ども政治に携わる者としては「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」の姿勢で、未来をシェアするはずの若者たちをともに迎えたいと思います。

自然体での共生社会の実現に向けて未来を創造するさりげない支えあいのまち、きらめき湖南市を目指して、議員各位をはじめ市民のみなさんとともにまちづくりを進めてまいる所存でございますので、引き続きご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、平成27年度の施政方針といたします。

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