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 ■市長室

施政方針・所信表明

平成25年度施政方針

平成25年2月28日

 

(はじめに)

本日ここに、平成25年度の湖南市の予算および諸議案をご審議いただくにあたり、議長のお許しを得まして、私の市政に対する運営方針の一端を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

(大きな時代の転換期)

 冷戦崩壊後、世界は大きく変わりました。アメリカとソビエトというふたつの超大国の一方が消滅し、アメリカ一極の経済と安全保障の時代が続きましたが、その一方で、核拡散を含むテロの拡大が深刻さを増してきました。西側先進国を中心としたG7にロシアが加わり、いわゆる列強による集団指導体制が進められてきましたが、近年では、「新興国」と呼ばれた中国やブラジル、インドなどを含め、G20というように世界に影響を与える強国が増えてきました。

 

 そうしたなか、政権交代の年とも言われた昨年は、ロシアではプーチン大統領、中国では習近平総書記、韓国では槿恵(パク・クネ)次期大統領、北朝鮮では金正恩(キム・ジョンウン)第一書記と、わが国を取り巻く諸国においてリーダーの交代が行われるとともに、わが国においても昨年末の衆議院議員総選挙の結果、民主党を中心とする政権から自由民主党と公明党を中心とする政権に再交代し、第2次安倍内閣が発足しました。

 

 とりわけ、中国においては、これまで高度経済成長を続け、市場のポテンシャルから世界経済のけん引役となってまいりましたが、わが国との関係においては、尖閣諸島をめぐる反日暴動や極めて厳しい軍事的緊張関係が続き、戦略的互恵関係に基づく経済協力だけではなく、南西諸島方面の安全保障に現実的な不安が生じてきています。また、北朝鮮が昨年4月13日および12月12日に実施したロケットの発射実験と今年2月12日に実施した核実験により、今後、わが国はノドンに積載される小型核弾頭の射程に入る恐れが生じることとなり、新たな東アジアの緊張とわが国の安全保障上の課題に直面しております。

 

 こうした大きな変化に対し、アメリカのオバマ大統領や台湾の馬英九総統は再選を果たし、太平洋の安定が保たれたものの、アメリカとわが国との間では、在日米軍のあり方やTPP加入問題などの過去からの課題が依然として重くのしかかっています。

 

(第2次安倍内閣の抱える課題)

 そのようななか、昨年12月26日に発足した第2次安倍内閣は、デフレと円高から抜け出せない「経済の危機」、遅々として進まない東日本大震災からの「復興の危機」、東アジアの緊張を背景にした「外交・安全保障上の危機」、そしていじめ問題に象徴される「教育の危機」の4つの危機を突破して「強い日本」をつくるとしております。

 

わが国では、先進国の中で唯一デフレ経済が継続し、円高と合わせて国内産業の空洞化が進んできました。政権再交代によりまして、こうした状況を是正するために、インフレターゲットの設定と大胆な金融緩和を行う、いわゆる「アベノミクス」と呼ばれる経済財政政策が展開されています。円高是正や国土強靭化といわれる大規模な公共投資、日本銀行との協調などが進められるとともに、地方に対しては地方交付税の減少をちらつかせながら公務員給与の削減を迫るなど、地方自治の本旨を理解しない取り組みを含め、大きなメスが入ろうとしています。

 

 また、一昨年3月に発生した東日本大震災から2年を前にして、いまだに全国47都道府県に31万5千人が避難生活を強いられています。災害廃棄物の処理やライフラインの復旧、高台移転や産業の復興などについては少しずつ進みつつあるものの、原子力災害や除染、風評被害への対応など、国を挙げて取り組まなければならない課題については遅々として進まず、先が見えない状態が続いています。危機管理や防災・減災対策の必要性が認識されるなか、昨年8月には宇治市で2千戸以上が浸水する豪雨災害が発生しましたが、県内においても大津市南部で土砂災害が発生し、滋賀県市長会では他の12市から職員を派遣して大津市の支援を行いました。

 

 2年前に起きた大津市のいじめ自殺問題や昨年12月の大阪市の体罰自殺問題など心を痛める事件が相次いだことをきっかけとして、教育のあり方に関する議論が深められていますが、論点が教育委員会制度の改革についての議論に矮小化されている嫌いがあります。もともと首長は自治体を代表し、総合調整権を持ち、予算編成権・提出権や教育委員の人事提案権があることから、間接的に教育委員会を統制することは可能であるにもかかわらず、首長部局と教育委員会部局のコミュニケーション不足が制度自体のあり方論に集約されることは、本来の教育論からずれることになり残念なことです。

 

(国政、県政の状況)

 政府は、景気の下支えを行い、切れ目のない経済政策を実行するために、総額13兆円を超え、規模としてはリーマンショック後の補正予算に次ぐ大規模補正予算である平成24年度補正予算を平成25年度当初予算に先行して編成し、平成25年度予算と合わせた「15ヶ月予算」という考えのもとに執行していくこととしています。一方、社会保障制度改革については昨年末に国民改革会議を設け、給付と負担の関係や世代間で格差のある医療保険制度の持続可能性などについて議論を始めており、消費税率を引き上げる場合の前提となる議論を整理してきています。平成25年度予算では、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安全・地域活性化」に重点を置くこととしておりますが、日本経済の再生に向けては、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」そして「民間投資を喚起する成長戦略」のいわゆる「三本の矢」により、長引く円高・デフレ状況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指し、持続的成長を生み出すことで、消費税率引き上げにつなげたいとしております。

 

 県政においては、計画行政や財政負担のあり方を巡り、住民の生活やまちづくりを直接担っている市町と十分な意思疎通がなされないままに県が施策を進めようとし、その都度両者の主張がぶつかることで、さまざまな場面で停滞が起きていることは、平成24年度においても変化がありません。県による広域的な調整能力が失われていることには注意が必要です。そうしたなかで、平成24年度には県内すべての市が災害時相互応援協定を結ぶなど、都市自治体間の連携協力が充実しています。

 

(湖南市の現状と課題)

 湖南市は、平成16年10月に誕生して以降、『新市建設計画』、さらには『総合計画』に基づき、着実にまちづくりを進めてまいりました。市内の一体化を最優先にするとともに、基幹道路網の整備による慢性渋滞の解消やリーマンショック後の緊急生活支援など、時宜を得た施策を展開してきたところです。その間、硬直化した財政の健全化に努め、各種財政指標の改善と安定化のための基金の積み立てを行い、地域まちづくり協議会や学校支援地域本部など市民による自主的な地域づくりの枠組みをつくってまいりました。その結果、障がい福祉や就労支援、観光振興や地域包括的な教育、自然エネルギー活用や議会改革などで、全国的な知名度を高めつつあります。

 

その一方で、今後、湖南市は、社会全体で受け止め、支えあわなければならない急速な高齢化に直面することになります。大幅な税収減や公債費の増加、普通交付税の減額などを見込んだ強固な財政基盤の構築が急がれますとともに、若い人が市内に魅力を持てるまちづくりが求められますし、地域の活力を創出していかなければなりません。そのためにも、企業の活動しやすい拠点整備や商業集積を進め、コンパクトな中にもきらりと光るきらめき湖南をつくっていく必要があります。

 

(予算編成の基本方針)

 こうした現状と課題を踏まえたうえで、平成25年度当初予算の編成に当たっては、「地域の未来は、心でつなぐ安心とともに 〜次世代へつなぐ『循環型きらめき予算』〜」を基本テーマに、部局別の予算枠をいったん見直すこととし、過去の決算額などから内容を精査するとともに、総合計画の政策目的達成に向けて、優先度の高いものから計上をすることに努めました。とりわけ、きらめき湖南枠事業を拡充し、「新しい公共」の担い手の層を厚くするとともに、地域資源を活用した地域内循環を高める仕組みづくりや防災・減災に向けたセーフティコナンの取り組み、心豊かな地域社会をつくるための心のインフラづくりを進めることとし、的確な歳入の確保を行い、過去からの課題の解決に取り組みながら、行財政改革の推進と市民満足度の向上、安心安全なまちづくりと地域の絆を深め、標準財政規模の10%以上の基金を確保するように基本的方向を定めております。そこで、総合計画のまちづくりの6つの目標に沿って、平成25年度施政の方針を説明いたします。

 

(人権尊重と自立・自助のまちづくり)

 まずは、「みんなで共に進めるしくみをつくろう」ということです。まもなく丸2年を迎えようとしている東日本大震災は、「絆」の大切さを教えてくれたものの、時の移ろいに応じて震災直後と比べ徐々にではありますが希薄化しつつあります。しかし、地域における支え合い、助け合いの再生が必要である状況には変わりがないことから、すでに進められている区・自治会における取り組みや広域のまちづくり協議会による活動をさらに活性化していきます。平成23年度から取り組んでおりますまちづくり協議会が主体となった地域活性化推進事業をさらに展開し、(仮称)菩提寺コミュニティセンターをはじめ地域自治の拠点施設の整備を進めるとともに、石部南まちづくりセンターでは先行して指定管理者制度を導入して拠点施設の地域運営を行うなど、「新しい公共」の基盤を強化してまいります。

 

 また、都市住民など地域外の人材を地域社会の新たな担い手として受け入れ、地域力の維持・強化を図る地域おこし協力隊活動の展開や吉本興業株式会社との包括的連携協定に基づく心のインフラづくりなどで、自立できる自助のまちづくりを進めてまいります。

 

さらに、多文化共生社会の推進については、引き続き外国人集住都市会議において一定の役割を果たすほか、『多文化共生社会推進プラン』に基づき、市民に対する啓発や地域社会の伝統やしきたりを大切にするまちづくりを行います。

 

(自然を活かし、自然と共生するまちづくり)

 次に、「うるおいのあるまちをつくろう」ということです。東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故は、原子力エネルギーへの依存に大きく警鐘を鳴らしましたが、政権再交代によりまして、今後のエネルギー政策の方向性はまだ明らかとなっておりません。しかし、東日本大震災の教訓はエネルギー生産の一極集中の危険性と地産地消の有利さであり、自然再生エネルギーの創出などによる分散自律型エネルギー供給体制の構築が求められていることに変わりはありません。本市においては、全国にさきがけて制定された「地域自然エネルギー基本条例」をもとに、市民共同発電のさらなる推進を図り、エネルギーの域内循環を実現できるような体制を構築してまいります。

 

 また、循環型社会を形成するために資源ごみの分別収集を進め、甲賀広域行政組合における焼却炉の長寿命化などを図ってまいりますとともに、市役所庁舎自体の省電力化などを進めてまいります。

 

 上水道については、安全な水質による安定的な水量供給を目指すとともに、老朽施設の改築を進めてまいります。また、下水道については、平成27年度の整備計画終了を目指し、着実に施設の整備を進めるほか、ゲリラ豪雨などに備えて浸水による災害を防ぐために雨水排水施設の整備計画を実施していきます。

 

(産業が集まり、人が集うまちづくり)

 三点目は「活気あるまちをつくろう」ということです。市街地・住環境整備については、新たに市街化区域に編入された岩根地先において、東部大型商業ゾーンの整備に向けた民間投資の誘導を行ってまいります。また、昨年度、審議会を設置して検討しております市内に良好な景観を形成していくための基本計画を策定してまいりますとともに、住環境整備として、引き続き住居表示実施地区をみどりの村地域へ拡大するほか、堂の上団地の建替や市営住宅の長寿命化計画の策定、老朽化した火葬場の施設整備を進めます。

 

市内の道路につきましては、石部小学校改築の前提となります市道十禅寺2号線の新設をはじめ、市道(仮称)吉永山手線の整備、市道三雲小学校線や市道大池町103号線の歩道設置など生活道路の質的な向上を図ってまいります。河川関係につきましては、立石川の護岸整備を行いますほか、河川に架かる橋梁の長寿命化補修設計を行います。

 

公共交通の充実については、3駅プランに基づき、三雲駅周辺整備事業に引き続き取り組みますほか、JR甲西駅のバリアフリー化に向けた実施設計を行うとともに、石部駅周辺まちづくり基本計画の充実に努めてまいります。

 

 産業の振興に関しましては、物づくりの拠点であり交通の結節点である地の利を活かして内陸型国際総合物流ターミナル構想の研究を行いますとともに、引き続き甲西南部地区ほ場整備事業の完了に向け取り組みます。これまで「緑の分権改革」と称してまいりました地域内の経済循環の創造については、商工会や観光協会など関係団体と連携しながら環境、特産品、福祉をつなぐ「地域循環事業」として引き続き取り組んでまいります。観光については、「湖南市三大まつり」や湖南三山を中心にさまざまな地域資源を有機的に連関させ、観光集客につなげることとしております。

 

雇用促進と労働者福祉の向上に関しては、「アクションプラン」の一環として、平成24年3月に設置した「チャンスワークこなん」と障がい者就労情報センターの連携により、就労支援プログラムの実施による福祉から就労支援を進めてまいります。

 

(生涯を通じた安心と健康のまちづくり)

 四点目は「ほっとする暮らしをつくろう」ということです。

 まずは、市民一人ひとりの健康づくりが大切なことから、『健康こなん21計画・食育推進計画』の中間見直しを受けて、各種健診や予防接種・ワクチン接種の実施率の向上を目指すことに加え、新たに未熟児養育医療に対する公費負担を開始いたします。

 

 次に医療については、公立甲賀病院組合を通じて移転新築を進めてまいりました地域中核病院としての新しい公立甲賀病院が平成25年4月1日に開院する予定であるほか、公立診療所をはじめ地域医療機関の適切な役割分担と在宅医療との機能連携によって、地域包括・ケアの充実を図ります。

 

 さらに、心のインフラづくりを基本として地域福祉を推進するため、地域福祉計画『みんなでつくったみらくるプラン』の事業化を進めてまいります。子育て支援については、「子ども・子育て未来会議」を立ち上げて事業計画の策定を進めるとともに、引き続きこんにちは赤ちゃん事業や子育て支援ヘルプ事業、多胎児家庭育児支援事業などの虐待防止施策を展開するほか、ひとり親家庭などの支援を拡充してまいります。障がい者支援については、糸賀一雄生誕100年を機会として、障がい福祉のトップランナーである湖南市の取り組みや障がいに対する市民の理解をさらに深めるとともに、成年後見センターの開設や障がい者グループホームの整備など地域生活の支援体制をさらに充実させていき、自立を促してまいります。高齢者支援については、『高齢者福祉計画・介護保険事業計画』に基づき、高齢者の皆さんがそれぞれ体力づくりや生きがいづくりに励んでいただいて介護状態になることを防いでまいりたいと考えております。

 

安全な地域づくりについては、昨年度から取り組んでおります『地域防災計画』の全面改定を行いますとともに総合防災訓練や防災フォーラムの開催、防災士の育成による防災実戦力の強化や市民の啓発、さらには第2次避難所となる小中学校への防災倉庫の設置を進めてまいります。

 

(誇りとなる市民文化を創造するまちづくり)

 五点目は「いきいきとした暮らしをつくろう」ということです。

教育内容の詳細については昨年7月に就任した新しい教育長による「教育方針」に譲りますが、全国的な課題とされております「いじめ」対策については、これまでの本市教育の特徴でもあります特別支援教育を展開し、「湖南市いじめ対策プラン」と称して、全小中学校に「子ども見守り支援員」を配置するとともに、教育委員会に「いじめ対策支援チーム」を設置してまいります。また、いじめや体罰など閉鎖社会でおこりがちな事案を防ぐために必要な外部の眼を取り入れることも含め、地域で学校を包み込み支えるために、現在すべての小学校に導入されている学校支援地域本部を日枝中学校を皮切りに中学校にも順次導入していくとともに、小学校においても現在岩根小学校で導入しているコミュニティスクールの取り組みの他校への拡大を進めます。就学前教育については、「子ども・子育て未来会議」を設置して、子育て支援との連携を図ってまいります。学校施設については、石部小学校の耐震改築に向けた実施設計を行うとともに水戸小学校の大規模改造工事を行ってまいりますし、食育面では、老朽化する給食センターの改築を進め、アレルギー食にも対応できるようにしてまいります。社会教育面では、地域に開かれ、地域の「知」の収集・集積・発信のセンターとしての図書館の充実を図りますほか、各まちづくりセンターの活性化などに取り組んでまいります。

 

(効率的・効果的な行財政システムづくり)

さいごに、「明日を拓くしくみをつくろう」ということです。

平成23年度から計画期間が始まった『総合計画後期計画』および『第二次行政改革大綱』について、総合計画に掲げる諸課題を解決するための財源として、合併特例債の発行時期や今後容易に増加には転じないであろうことが予測される税収の範囲をしっかりと見定め、過去からの継続で効果的ではない施策や老朽化したり利用の少ない施設などについては、市民の皆さん全体の利益を考えながら、そのあり方を議論してまいりたいと考えております。そのためには、自治体自身が経営を適時的確に行うツールとしての公会計システム導入に向けて取り組むほか、行政改革の進捗の評価や入札制度の監視について外部の視点を取り入れてまいります。また、自治を担う市役所職員の能力の向上を図るために国などとの交流人事や大学などとの政策研究を進めますとともに、公民連携手法を活用しながらシステムづくりを行い、事業値札を拡大して市民の財政に対する理解を深め、民主的統制のすそ野を広げながら、将来に対するツケを残さないように取り組む土壌をつくってまいります。

 

(自治体間外交について)

他の自治体との関係については、滋賀県市長会長や近畿市長会相談役として、県内会員各市の間や近畿市長会、全国市長会との関係、滋賀県や国との調整などを大所から対応してまいりました。また、甲賀市と構成する2つの一部事務組合においては、衛生や消防について連携を図るほか、先に述べましたとおり移転新築後の公立甲賀病院が平成25年度から開業いたしますことから、地域医療の充実につなげてまいります。栗東市と構成する広域協議会においては、引き続き国道1号バイパスをはじめとした広域交通に関する議論を深めてまいりますし、野洲市および竜王町と構成する広域協議会においては、地域活性化に向けた研究を続けてまいります。そのほかの広域連携についても適切に取り組みますとともに、平成23年度に協定を締結した北海道比布町や鳥取県北栄町、新たに災害時相互応援協定を結ぶ岐阜県瑞浪市との連携を深めるなど、さらに幅広い交流を展開してまいります。

 

(おわりに)

二宮尊徳が詠んだ「むかし蒔く木の実大木と成りにけり今蒔く木の実後の大木ぞ」という和歌のように、昭和30年代、40年代に取り組まれた高度経済成長政策の恩恵をこれまで蒙りながらなんとか進めてこられたとすれば、人口減少、少子高齢、成熟社会といったこれまでとパラダイムが大きく変わった時代においては、後の世を先取りして、今小さな種であったとしても、子どもたちや孫たちが将来にその果実を得ることのできる政策を選択するべきであると考えます。その選択はいつやるか。今でしょう。そうした観点から、私たちはこれまでの常識や経緯にとらわれることなく、大胆に新しい政策を展開していくべきであり、そうした新しい政策を展開する責務を負わされていると考えるべきです。

 

今年は市議会議員選挙が控えています。昨年執行され、3期目の重職をお預かりした市長選挙に続いての市政を左右する重要な選挙です。昨年7月に制定された議会基本条例の定める、自由闊達な討議を通して、論点・争点を明らかにし、広く市民に積極的な情報公開を進め、市民との意見交換の場を多様に設け、市民に開かれ信頼される議会を目指し、市民と協働するという議会の理念について、市民のみなさんに十分な理解を得て、本市の民主政をさらに深化させるかけがえのない機会でもあります。

 

今、政治に携わる者に求められているのは、「諸事の政、皆諸人の為にして、身の為にせず」と楠木正成が述べたように、何ごとに対しても全て、市のため、地域社会のためを考え、自分自身のためだけを考えて行動することがない、という政治家と有権者との間の信頼感の醸成ではないかと思っております。私自身についても省みて、政治家は個人に立ち戻り、その信条に正直に行動することから、はじめて政治と市民とのきずなが生まれるものであると考えるにいたりました。

 

また、健全な自治・民主政を支える人材の育成も急務です。犬養毅は「1年の計をたてるものは米を植えよ。10年の計をたてるものは樹を植えよ。100年の計をたてるものは人を育てよ」と述べましたが、地域社会を支える最も大きな資源は「ひと」です。有権者一人ひとりがよく考えた行動をとることはもちろん、今だけではなく将来世代との負担についても考えていかなければなりません。今さえよければよい時代はとっくの昔に終わっているのです。教育の面においては、次の世代がまっすぐに育つための環境づくりを進めておりますが、子どもたちに恥じることのない後ろ姿を私たち大人が見せることができているかを常に気にしてまいりたいと考えております。

 

未来を創造するまち、きらめき湖南市を目指して、議員のみなさんをはじめ市民のみなさんとともにまちづくりを進めてまいる所存でございますので、引き続きご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、平成25年度の施政方針といたします。

 

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