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 ■市長室

施政方針・所信表明

平成16年12月市議会定例会 所信表明
平成16年12月8日

議長のお許しをいただき、新生湖南市最初の定例議会の招集に際し、所信の一端を申し述べます。

はじめに、去る11月7日の第1回湖南市長選挙において、市民の皆さんの厳粛な選択の上に、初代湖南市長の重責を担わせていただくこととなりました。まことに光栄に存じますとともに、改めてその責任の重さに身の引き締まる思いでございます。

選挙期間中を通じまして、市議会議員各位をはじめ、多くの市民の皆さんからお寄せいただきました温かいご支援に衷心から感謝を申し上げますとともに、これからまさに新しいまちづくりの第1ページが開こうとしている大事な時期でありますので、市民全体の利益を最大にしてまいるべく、微力ではありますが渾身の努力を重ねる覚悟であります。特に市議会議員の皆さんとは、互いにその使命と役割を果たしながら、連携を密にし、力を合わせて、56,000市民の真の幸せと湖南市のさらなる発展を目指して市政運営に当たる所存でありますので、何とぞ格別のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

平成16年10月1日に誕生しましたわが湖南市は、12月1日現在、56,119人の市民で構成されております。旧石部町、旧甲西町の枠組みをできる限り早く取り払い、新しい一つのまちとして、市民の総力を結集することができれば、合併の目的の多くは遂げられることになります。これから4年間、湖南市のもてる潜在能力をできる限り引き出すために力を尽くしてまいりたいと存じます。

特に選挙中には、数多くの市民の皆さんから、励ましの声のみならず、本当に切実な地域の活性化に向けた長期のビジョンを求める生の声をお聞かせいただきました。私がかねてから訴えてまいりました、大きな時代の変革期においてこの地域が生き残るために市民が一体となって知恵を働かさなければならない、そのための財源確保が大事であるということが、多くの市民の皆さんにご理解いただけたことを強く実感いたしました。

今後は、本当の意味での情報公開と市民参加を進め、市民総ぐるみでの市政運営に努めてまいります。市役所の構造改革をさらにスピードアップする一方で、市民の皆さんのご理解、参加、そして役割分担を切にお願いするものです。

さて、わが国は現在、明治維新、戦後改革に次ぐ第3の改革期にあると言われております。大きな時代の潮流は、まっすぐに流れるだけでなく、時々に蛇行し、深く沿岸を洗うこともありますが、ちょうど今がそのときに当たっていると考えます。これまでの常識の通じない、きわめて見通しの利きにくい時代に直面しているとも言えます。

こうした中で、平成13年4月26日に成立した小泉内閣は、多くの改革を進めておりますが、その中でも自治体にとってインパクトの大きなものは、地方分権改革、なかんずく三位一体の改革であります。「基本方針2004」に基づき、先月26日に政府・与党で合意されました改革の全体像におきましては、これまで歴代内閣がなしえなかった税源移譲や地方交付税算定プロセスへの地方団体参加など評価される面がある一方で、補助金改革や国の関与・規制見直しには及び腰で、十分に踏み込めていないことを強く指摘することができます。あわせて、滋賀県も「財政危機回避のための改革基本方針」を定め、3年間で1340億円の財源不足を主張しておりますが、いずれにいたしましても補助金等の補助率削減については、改革のしわ寄せを自治体だけに押し付けるものと言わなければなりません。今後は、受身ではなく自立した主体として、地方自治体が市民のニーズを実現すべく活動できるだけの裁量権の拡大が望まれます。引き続き市民の皆さんとともに改革の方向をしっかりと見定めながら、財源確保に努める必要があります。

他方、景気の状況は、先月30日にOECD(経済協力開発機構)が発表したところによれば、今年のわが国の実質国内総生産が対前年予測値4%だったものが、来年は2.1%、再来年は2.5%となるとみられておりまして、大きく減速するものの内需回復で安定成長を維持できると判断されております。また、消費者物価も2年連続で前年比プラスに転じ、デフレは終息すると予測されております。高騰が見込まれた原油価格もOPECを中心とした増産方針で下落し、世界経済に好影響を与えております。しかし、こうした傾向は、国内経済、とりわけ地方にまでは十分波及しておらず、地方経済は依然として厳しい状況に置かれております。大津商工会議所の7−9月期の企業景況調査では、資金繰りに関する項目以外すべてで、前回調査より指数のマイナス幅が拡大するなど景況が悪化しているとされており、引き続き経済活性化に努める必要があります。

また、今年は豪雨や過去最多の相次ぐ台風の上陸、そして中越大震災をはじめとした災害・防災に注目が集まった年でもありました。被災者の皆さんには、心からお見舞いを申し上げます。さらに、奈良の小学生誘拐殺人をはじめ、子殺しや親殺し、自販機荒らし、オレオレ詐欺など殺伐とした社会風潮が進み、治安の確保に対する関心も高まりました。一方、雇用情勢については、滋賀労働局が発表した10月の有効求人倍率は1.07倍と6月以降横ばい状況が続いておりますものの、雇用のミスマッチは依然続いております。そして、わが国の合計特殊出生率は低落傾向が続き、昨年には過去最低の1.29を記録し、10月の内閣府による世論調査では、少子化で日本の将来に危機感を「感じる」と答えた人が76.7%に上り、政府は今月3日、初の「少子化社会白書」を閣議決定しております。さらには、地球温暖化をはじめ地球規模での環境の劣化がますます深刻となり、最終処分場のひっ迫や不法投棄、貴重な自然や生態系の破壊、環境汚染などの環境問題がクローズアップされております。引き続き安心安全の確保に努める必要があります。

こうした時代背景のもと、湖南市の市政といたしましては、一党一派に偏することなく、真に市民全体の利益を最大化することに努めなければならないと考えております。そのために、湖南市の有するあらゆる資源を総動員し、地域経営という新しい視点のなかで、舵取りをしていかなければなりません。それとともに、古いしがらみや利権を排し、情報を公開し、市民の皆さんへ説明責任を果たすことにより、市民にとっての「見える安心」、職員にとっての「見られる緊張」を実現してまいりたいと考えます。さらには、財源確保を常に念頭に置きながら、高品質の市民サービスを提供することに努めるとともに、すべての人の人権が尊重される市政を基本姿勢として、次の5つの柱に沿って取り組んでまいります。

まず第1に、「夢と希望のまちづくり」であります。合併直後でありますので、新しいまちづくりの指針となる湖南市基本構想と総合計画をできるだけ早期に策定し、将来を見据えたビジョンを示してまいります。策定には市民参加の視点と専門性の確保を両立させながら、都市計画や土地利用計画、道路整備計画、保健福祉計画、地域福祉計画、環境基本計画、産業振興指針など、いずれも仮称ではありますが、こうしたこれから策定することとなるであろうさまざまな計画の上位計画に位置付けてまいります。そして、行き当たりばったりではなく、湖南市が将来に向かって戦略性を発揮できるよう取り組んでまいりたいと考えます。特に、石部と三雲の連絡道路や甲西橋など市の東西、南北幹線軸をしっかりと整備するとともに、JR草津線各駅の周辺整備など総合交通体系を確立し、夢と希望をもってまちづくりができるようにしてまいります。

次に「ものづくりの再生と育成」であります。現在回復基調にある景気を追い風に、地域産業の活性化を図ることにより、住民福祉に所要の財源を確保することが大切になってきていることから、経済活性化を加速しなければなりません。そのために、企業誘致や既存産業の活性化、産学協同による新産業の創出、環境こだわりや集落営農を機軸とした次世代型農業の推進、そして観光資源の掘り起こしと活用などによる新しいビジネスチャンスをつくることを目指します。

第3に「若さと元気の人づくり」であります。次の世代である子どもたちがまっすぐに育つように、学校ごとに保護者や地域と一体となった学校運営を順次実現するとともに、個別の子どもたちをサポートできるよう、教育基本法見直しの動きを睨みながら湖南市独自の教育基本条例の制定や教育センターの設置を進めてまいります。また、通学児童生徒の安全対策を検討する一方、次世代育成支援行動計画を策定して社会のあらゆる側面で子育て支援を進めていきます。さらにNPOなどの社会貢献活動とも連携をしていきます。

第4に「安心と愛情のくらしづくり」であります。まずは市内の防災体制を総点検見直しするとともに、治安確保や消防救急体制についても充実に努めてまいります。また、今後急速に増加するシルバー世代が健康で生き生きと暮らし、障害のある方が十分活躍できる社会の実現などを目指し、医療ネットワークの構築と健康づくり、そしてバリアフリー化などを進めてまいります。さらに、市民すべてが関わりをもつ環境問題の解決のため、環境基本条例や環境基本計画、環境保全条例など関連条例を市民参加で策定してまいりたいと考えます。

最後に、「公開と参加の自治づくり」であります。市役所の構造改革を進め、費用対効果の意識を徹底させるとともに、現場においてスピーディーに意思決定のできる体制を確立していきます。また、地域コミュニティを再生し、職員が地域の課題を的確につかみ、解決につなげるため、市民センターを順次整備してまいりたいと考えます。それとともに、情報公開を徹底し、納得性の高い市役所に変えてまいります。そのためには、市民の皆さんに市政参加いただく手続きを定め、役割分担を求めてまいる所存です。

戦後の総理大臣である鳩山一郎は、昭和30年8月14日の朝日新聞夕刊で、「まず、国民が命令への服従でなく、納得でやってゆくことを国民自身が自覚すること」が大切であり、そのプロセスこそが民主主義であるということを述べております。まさに、地方分権時代においては、健全な自治・民主主義が根付き、足の引っ張りあいではなく、潜在力を総動員して地域の力を高め、一緒に協働する社会づくりが求められます。

新しく出発した湖南市が、そうしたプロセスを通じて「自然とやさしさにつつまれた笑顔と夢あふれるまち」となるよう、市民の皆さんとともに必要なときに必要な決断をし、力を合わせて実行してまいりたいと考えます。

以上、所信の一端を申し述べましたが、もとより、これらを実現していくためには、市議会議員の皆さん、そして、市民の皆さんの温かいご支援が何よりも不可欠でございます。何とぞ格別のご協力を賜りますよう、最後に改めてお願いを申し上げまして、市政のはじめに当たっての所信表明とさせていただきます。

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